弁護士が入管申請取次業務を実施するメリットとは
目次
弁護士が入管申請取次業務を実施するメリットとは
本コラムでは弁護士が入管申請取次業務を行う事務所にとってのメリットを解説いたします。
「入管業務は行政書士がする業務」、「弁護士は弁護士しかできない業務に専念するべき」とお考えの方もいらっしゃるかと思います。確かに、入管業務は行政書士の先生も行うことができるため、メリットを感じられないかもしれません。
しかし、「入管業務」は、弁護士のみが対応可能な法令違反対応や企業との相談顧問契約などの案件獲得のルート開拓には必要な業務です。
なぜ必要な業務といえるのか、どのような施策を実施するべきか、弊社研究会でも取り上げた事例を上げながらお伝えいたします。
ぜひ今後の事務所経営にお役立ていただけたらと存じます。
国際業務マーケットの情勢
皆様の周知の通り、4月10日からは入国者数の上限を1日あたり10,000人に引き上げられます。「厳しい水際対策の実施=内閣支持率の向上=更なる水際対策の実施」という図式が緩和されているため、今後も水際対策緩和は続いていくことが予測されます。※今後の水際対策の予測に関してはこちらのページで解説しております。
したがって、今後はB2Cの国際業務が拡がり、それに伴って入管業務案件が増加することが見込まれます。
国際業務マーケットの情勢は連日の報道から既にご存じの方もいらっしゃるかと思います。
それではなぜ、弁護士が入管取次業務に取り組む必要があるのでしょうか。その理由を解説させていただきます。
弁護士が入管取次業務を行う必要性
国際業務は、外国人労務顧問を扱うベースの知識になる
国際業務は複雑かつ多岐に渡ることが多い分野です。国際分野の経験が浅い先生やアソシエイトに、実務経験やノウハウを積んでもらうために、外国人個人の在留資格申請の業務を取り扱うことを推奨します。
帰化申請や日本人配偶者など、B2Cの案件獲得観点からは必要のない実務だと考える方もいらっしゃると思いますが、企業が雇用している外国人従業員の各種申請対応や、就労以外の身分系の案件を対応するためにも個人向けのサポートは必要です。
いきなりB2Bの国際業務を行うことが難しい場合は、国際業務(入管法)のベースの知識を培うために、B2Cの入管業務から入るのが良いと考えられます。
B2CからB2Bへの展開が可能
国際業務分野の商品設計における「入管業務」はフロントエンド商品1つに位置付けられます。したがって、1人の申請サポートから企業全般の申請サポート、場合によっては企業との顧問契約に繋がることもあります。B2CからB2Bへの展開の成功事例として、弊社の研究会でも触れさせていただいた内容を一部ご紹介します。
A弁護士事務所(仮名)では、まず展開する前段階として、Facebook広告を運用し、在留資格申請の案件獲得に注力されています。そして、個人の相談に至った際には、配偶者や就労先の企業等のヒアリングを実施し、必要があれば企業への連絡まで実施されています。企業への連絡の際に、現状の外国人雇用状況等を把握することで、B2B案件としてのご提案に繋げることが可能になるからです。
また、個人で依頼された方が経営者の場合は、社会保険等の制度理解が難しいことが多いため、通常の日本の企業へ提供している商品の横展開を提案されています。このようなB2CからB2Bの案件獲得(顧問契約)はこれまでに3件受任となり、広告費用を含めて大きな利益に繋げられています。
ただし、B2CからB2Bへの展開には案件化までの期間がかかるため、継続的なフォローが必須という点には注意が必要です。
終わりに
いかがでしたでしょうか。今回のポイントは、国際業務は単なるB2Cの手続業務ではなく、法人の顧問契約獲得が可能な分野であるという点です。
今後は入国制限の緩和によって国際業務の市場の拡がりが期待され、特定技能在留外国人数に関しては、特定技能制度が実施されてから堅調な伸びも見せています。
また、上記でご紹介した事務所様の施策はお伝えした内容以外にも、個人から企業に展開するにあたって各フェーズに実施するべき具体的な施策、重要なポイントはいくつもございます。弊社研究会では毎回ゲストをお呼びしており、本コラムより詳細な成功事例をお伝えしております。具体的な実施施策、弊社研究会の内容に関しましてご興味をもたれましたら、ぜひお問合せ下さい。
実施施策をより具体的に知りたい士業事務所の方へ
上記の内容を実際に自事務所に落とし込むフロー、具体的なアクション方法まで知りたい事務所様に向けては、 担当コンサルタントによる無料経営相談を実施させていただいております。 現状のヒアリングをさせていただいたうえで、実施すべき施策について優先順位を含めてご提案をさせていただきます。
この時期に実務ノウハウの蓄積・マーケット回復を見据えたマーケティングを実施いただくことによって、マーケット回復時に案件を大幅に獲得できる体制を整備いただくことが、他事務所との差別化要因となります。 30分間の無料でのご相談対応となりますので、ぜひご活用ください。
【執筆者:士業支援部 依田隼斗】