なぜ行政書士が外国人ビザ・在留資格申請業務を扱うべきか
目次
なぜ行政書士が外国人ビザ・在留資格申請業務を扱うべきか
本コラムでは行政書士事務所様に向けて、外国人ビザ申請・在留資格申請サポートを扱う必要性について解説させていただきます。
なぜ今、外国人支援業務に取り組むべきなのか、新型コロナウイルス感染症の影響はどのようになっているのか、今後再びコロナ感染者数が増加した場合の水際対策はどうなるのか、行政の動向に関する情報も記載いたしました。
ぜひ今後の事務所経営にお役立ていただけたらと存じます。
国際業務マーケットの現状
2月17日に岸田文雄首相が会見を行い、新型コロナウイルス感染症の水際対策として実施している外国からの新規入国制限を3月から緩和すると表明しました。さらに、4月10日からは入国者数の上限を1日あたり10,000人に引き上げを実施しています。それではなぜ、水際対策緩和に動き出したのでしょうか。
なぜ水際対策緩和に動き出したのか
それではなぜ、水際対策緩和に動き出したのか、いくつか考えられる理由をお伝えいたします。
1つ目は、諸外国の水際対策の緩和や撤廃が影響していると考えられます。アメリカでは、ワクチンの接種証明と陰性証明があれば入国を容認しており、イギリスでは、ワクチン接種者は入国後の検査を不要にし、未接種者においても入国後の検査を2回から1回に緩和するといった動きを見せております。他にもドイツ、フランス、タイ、インドネシアでも水際対策の緩和や撤廃に動きを見せており、国外の動きに対応したと考えられます。
2つ目は、国内の各方面からの批判が続いている点です。
水際対策に関して、与党からは「国際的な人材獲得競争にも遅れ」「日本は鎖国状態」等の批判が上がっており、経団連からも批判の声が上がっています。経団連会長の十倉氏は、定例記者会見にて以下のように指摘しております。「日本でも大半がオミクロン株となった今、続ける意味がない」、「水際の検査はきっちりやらないといけないが、入国を禁じるのは現実的ではない」
このように国内外の動きに影響される形で、水際対策の緩和が実施されているのが実情です。
今後、再びコロナ感染者数が増加した場合の水際対策
結論から申し上げますと、水際対策緩和は今後も続いていくと予測されます。
岸田政権発足時から続いていた、「厳しい水際対策の実施=内閣支持率の向上=更なる水際対策の実施」という図式が緩和されているからです。
図1:内閣支持率の推移(参考1より船井総研にて作成)
参考1:NHK . “内閣支持率” . NHK選挙Web . 2022-03-14 . https://www.nhk.or.jp/senkyo/shijiritsu/(最終参照 2022-04-10)
以前は水際対策実施に伴って内閣支持率が向上しておりましたが、2021年9月より反比例している結果となっております。記者会見の内容からも岸田首相が支持率を強く意識していることが見受けられるため、今後も緩和する方向に動き続ける可能性が高いと考えられます。しかし、新変異株の影響で、「入国後待機期間の0日/3日/7日」などの細かい条件は厳格化される可能性があるため、注意が必要です。
行政書士事務所が今、国際業務に取り組むべき理由とは?
上記で市場動向における国際業務の拡がりについて述べさせていただきました。ここからは、国際業務の中でも特に外国人ビザ・在留資格サポートをするメリットについて触れさせていただきます。
現在、国際業務を扱われていない事務所様で、そもそも国際業務を扱う行政書士のメリットに関して疑問をもたれている先生は、まずこちらをご確認ください。
国際業務を扱う行政書士のメリットは?生き残る事務所になるための事業戦略
行政書士が外国人ビザ・在留資格サポートを扱う必要性とは?
国際分野を扱うベースの知識になる
国際業務は複雑かつ多岐に渡ることが多い分野です。そのため、実務ノウハウを蓄積することは非常に重要で、新規参入の第一段階としておすすめしているのがビザ申請・在留資格申請になります。対企業の国際業務のみ検討されている場合であっても、企業が雇用している外国人従業員の申請対応や、就労以外の身分系の案件を対応するためにも個人向けのサポートは必要です。
他案件への拡がりが見込める
国際業務分野における商品設計として、「ビザ申請・在留資格申請」はフロントエンド商品に位置付けられます。したがって、1人の申請サポートから企業全般の申請サポート、場合によっては企業との顧問契約に繋がることもあります。実際に、弊社主催の士業向け国際業務経営研究会2月例会では、その成功事例を東京の行政書士の先生にご講演いただきました。「依頼人の申請を進めていたところ、依頼人の友人を複数名紹介してもらえた」、「個人の申請から雇用している企業との繋がりができた」等の受任単価の増加が見込める事例をご紹介いただきました。
実施施策をより具体的に知りたい士業事務所の方へ
上記の内容を実際に自事務所に落とし込むフロー、具体的なアクション方法まで知りたい事務所様に向けては、 担当コンサルタントによる無料経営相談を実施させていただいております。 現状のヒアリングをさせていただいたうえで、実施すべき施策について優先順位を含めてご提案をさせていただきます。
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【執筆者:士業支援部 依田隼斗】