【分野別解説】建設業特化での特定技能受入支援による顧問契約の獲得手法
こんにちは。株式会社船井総合研究所 士業支援部 企業法務グループの大橋です。
いつもご愛読いただきありがとうございます。
目次
はじめに
コロナウイルスの影響で新規入国が難しくなっている今、
人手不足が深刻化している業界も少なくありません。
先日発表された帝国データバンクの『人手不足に対する企業動向(2021年7月)』によると
企業の人手不足感は上昇傾向にあり業界による不足感・過剰感が分かれている状況で、
建設業等の不足感が高まっている先に過剰感のある業界から人が流れる傾向があります。
今回は技能実習・特定技能での雇用が可能な“建設業”に特化して、
特定技能外国人の受入企業に向けたサポート内容を含めてお伝えいたします。
現在許認可関連で建設業の企業様とのお繋がりのある事務所様は
事務所内での次の柱として検討できるかと存じますので、ぜひ最後までお読みください。
建設業界における特定技能外国人の受入れに関する概要
建設分野での特定技能運用方針については、国土交通省の管轄で管理されています。
公式に発表されている制度概要は下記のような形です。
【受入れ見込数】5年間最大40,000人
【人材基準】技能試験・日本語能力試験
【従事できる業務】型枠施工/左官/コンクリート圧送/トンネル推進工 等
【受入企業基準】建設特定技能受入計画の認定/建設キャリアアップシステムへの事業所登録 等
対応している職種によっては現在技能実習で雇用している外国人材を、コロナ禍での移行措置を活用することによって一時帰国をしてもらうことなく特定技能として継続して雇用も可能です。
ただし、従事できる業務については技能実習との違いもあるため、技能実習からの移行を行う場合には対象業務に含まれているか確認が重要です。
【特定技能移行対象職種】型枠施工/左官/コンクリート圧送 等12職種
【移行対象外職種】トンネル推進工/土工/電気通信/鉄筋継手/吹付ウレタン断熱/海洋土木工の6職種
このような前提があるなかで、特に注意いただきたい点が“受入企業の基準”です。
建設業での技能実習制度の運用状況から、建設業のなかでも受入れ体制が整備されていて
違法な就労を防ぐために一定のハードルが設けられています。
特定技能外国人を受け入れるための受入企業側の基準
建設業にて特定技能外国人を受入れるためには、新規や移行に関わらず「建設特定技能受入計画」の認定が必要です。受入計画で設けられている事項は下記の4点です。
・認定申請者に関する事項
・国内人材確保の取り組みに関する事項
・特定技能外国人の適正な就労環境の確保に関する事項
・安全衛生教育・技能の習得に関する事項
このなかで受入企業の基準は1つ目の“認定申請者に関する事項”が該当します。
受入企業に対する要件は下記の5つです。
①建設業法第3条の許可を得ていること
②建設キャリアアップシステムへの事業者登録
③特定技能外国人受入事業実施法人に所属
④建設業法上で5年以内に監督処分を受けていない
⑤国内人材の確保・職員の処遇について自社での取り組みを行っている
②の「建設キャリアアップシステムへの事業者登録」については
平成31年4月より建設キャリアアップシステムの本格運用が開始しています。
建設キャリアアップシステム:https://www.ccus.jp/
会社側では事業者“登録、“従業員を“技能者”として登録をすることによって
就業状況等を管理することができるため、外国人材の場合でも不法就労の防止の側面で活用をしていく目的として要件の1つとして設けられています。
上記5つの要件を満たしていない場合受入計画の認定を受けることができないため
受入企業側でも十分な準備が必要になります。
建設業者向けに士業が提供できる商品とは?
上記のように業種特有での要件が設けられているため
士業事務所としては情報提供のみならず、顧問契約として
・キャリアアップシステムへの登録サポート
・建設特定技能受入計画の認定サポート
・技能実習から特定技能への移行支援
・特定技能外国人の在留資格認定・変更申請 等のサポートが検討できるかと存じます。
「技能実習生を受け入れているが、特定技能への移行は可能なのか?」
「人手不足で従業員が疲弊している。外国人材の受入れを検討したい」
「中長期的に定着してもらえるような外国人材の採用方法はないか?」等
建設業者様からのご相談について、こちらからの提案ができないかご検討いただき、
中長期的なサポートについてぜひご提案いただけたらと存じます。
特に行政書士の先生方は、許認可業務で建設業者の方とのお繋がりも多いと思いますので
国際関連業務でのサポートの追加提案をご検討ください。